数次相続
数次相続とは、最初の相続(一次相続)が発生し、その遺産分割協議が完了しないうちに、その相続人のうちの誰か(二次相続の被相続人)が亡くなってしまい、さらに次の相続(二次相続)が発生することです。
これにより、相続関係が複雑になり、誰がどの財産を相続するのか、手続きを誰が行うのかなどが非常に分かりにくくなることがあります。
数次相続の具体例
- 夫が死亡し、妻と子が相続人となった。
- 遺産分割協議がまとまらないうちに、妻も死亡した。
この場合、夫の遺産については、妻の相続人(子など)が妻の相続分を承継し、さらに妻自身の遺産についても相続が発生するため、手続きが複雑になります。
手続きの複雑化
相続人が増え、それぞれの相続関係が絡み合うため、戸籍謄本の収集や相続関係図の作成、遺産分割協議書の作成などが非常に煩雑になります。
相続放棄の注意点
数次相続の場合、最初の相続と次の相続の両方について、それぞれ相続放棄を検討する必要がある場合があります。例えば、夫の多額の負債を相続したくない場合、妻が夫の相続を放棄する前に死亡すると、妻の相続人が夫の負債も引き継ぐ可能性があります。
専門家への相談について
数次相続は一般の方には非常に理解しにくいケースが多いため、行政書士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが強く推奨されます。