相続財産管理人
相続財産管理人とは、相続人が一人もいない場合(相続人全員が相続放棄をした場合や、そもそも相続人が存在しない場合など)や、相続人の全員または一部が不明な場合に、故人(被相続人)の財産を管理し、清算するために家庭裁判所が選任する人のことです。
相続財産が放置されることを防ぎ、故人の債権者への弁済や、特別縁故者への財産分与など、適切な手続きを行う役割を担います。
選任の必要性
相続人がいない、または不明な場合、故人の財産は宙に浮いた状態となり、管理する人がいません。このような状況では、債権者が債権を回収できなかったり、故人の遺産が散逸したりする恐れがあるため、相続財産管理人が必要となります。
申立ての方法
利害関係人(故人の債権者など)や検察官が家庭裁判所に申し立てを行います。
相続財産管理人の主な職務
- 相続財産の調査・目録作成
- 債権者や受遺者への公告(請求の申し出を促す)
- 債務の弁済
- 特別縁故者への財産分与(認められた場合)
- 残余財産の国庫への帰属手続き
専門家の選任について
弁護士が相続財産管理人として選任されることがほとんどです。専門的な知識と経験が求められるためです。