「もしも」の時に後悔しない!おひとりさまが遺言を書くべき理由と書き方

おひとりさまにとって、遺言書は自分の想いや願いをきちんと伝えるための大切な手段です。身近な家族がいない場合、あなたが亡くなった後に誰がどのように財産を引き継ぐのか、葬儀やお墓をどうしてほしいのかを自分自身で決めておくことが重要です。法定相続人がいないケースでは、遺言書を残しておかないと、せっかく築き上げた財産が最終的に国のものになってしまう可能性もあります。
この記事では、おひとりさまが遺言書を作成すべき理由と、遺言書の書き方についてわかりやすく解説します。万が一の備えとして、あなたの意思を反映した遺言書を作成しましょう。
おひとりさまが遺言を書くべき理由
身近に頼れる家族がいないおひとりさまにとって、遺言書は、自分の想いを形にして人生の締めくくりを自分らしく整えるための大切なものです。誰かに自分の財産を託したいときや、お世話になった方にお礼の気持ちを届けたいときに、遺言はその想いを届ける役割を果たしてくれます。
法定相続人がいない場合、財産はどうなるのか?
もし遺言がないまま亡くなり、誰も財産を受け継がなかったとしたら、その財産は最終的に国のものになります。せっかく築いてきた財産が国のものになるくらいなら、渡す相手や使い道を自分で決めたいと考える方が多いのではないでしょうか。
相続人不存在のケースと国庫帰属のリスク
法律上、相続人になり得るのは、配偶者や子ども、孫、そして両親や祖父母、兄弟姉妹、甥・姪などです。たとえ長年疎遠にしていたとしても、戸籍上のつながりがある限り、その方たちが法定相続人となります。しかし、相続人となるはずの親族がすでに亡くなっている場合や元からいない場合には、あなたの財産は受け取り手がいません。相続人も特別に縁故があった方も名乗り出なければ、財産は最終的に国庫に帰属します。
家族がいても、意思とおりに分配されない可能性
たとえ法定相続人が存在したとしても、自分が思い描いていたとおりに財産が分けられるとは限りません。遺言がなければ相続人全員で話し合いをして遺産の分け方を決めますが、あなたの気持ちが反映される保証はありません。もし「この人には多く渡したい」「この団体に寄附したい」といった具体的な希望があるならば、遺言にきちんと書き残さなければ、想いが形にならずに終わってしまうでしょう。
法定相続人以外に財産を託したい場合の選択肢
いくらお世話になった方であっても、法律上の相続人でなければ、自動的に財産を受け継ぐことはできません。法律上の相続人でない方に財産を渡すには、生前に贈与する方法と、遺言に明記して亡くなったあとに贈与する方法(遺贈)があります。たとえば、長年親しくしてきた友人、日頃からお世話になっている知人、応援しているNPO法人や母校など、自分の気持ちを伝えたい相手に正式な形で財産を贈ることが可能です。
ペットの将来が心配な方へ
ペットと一緒に暮らしているおひとりさまにとって、その子の将来も大きな心配ごとのひとつでしょう。もし飼い主に何かあったときに引き取り手がいないと、ペットが行き場を失ってしまう可能性もあります。遺言書はペットの命と暮らしを守る手段としても有効です。
遺言書によって「この人に世話をお願いしたい」と伝えたり、ペットの飼育費としてある程度の財産を託したりできます。ご自身がいなくなった後も、ペットが安心して暮らせるように準備しておくことは、飼い主としての最後の責任と言えるでしょう。家族同然の存在を最後まで大切にするためにも、遺言書を活用して、自分の想いをきちんと形にしておくことが大切です。
遺言がないとどうなる?起こりうることと財産の行方
自分が亡くなったあとのことを考えるには早すぎると感じる方も多いかもしれません。しかし、もしもの時が突然やってきて、遺言がなかったとしたら、想いが伝わらないままになってしまいます。ここでは、遺言がないことで起こり得る現実と、財産がどこへ行くのかについて掘り下げて見ていきましょう。
【相続人がいる場合】法定相続分にしたがって自動的に分配される
遺言がない場合の遺産の分け方として、民法で法定相続分が定められています。相続人の構成によって、相続財産全体に対する相続割合が決まっているのです。法律は公平に分けることを重視していますが、実際の人間関係や財産の性質によっては、法律どおりに分けるのがよい方法とは限りません。公平に分けようとすると、かえって手続きが煩雑になる場合もあります。
そこで、相続人全員が合意すれば、法定相続分とは異なる分け方も認められています。亡くなった方本人の意思が反映される保証はありません。遺言がなければ、希望とは全く違う形で財産が分けられてしまうリスクがあることを、ぜひ知っておいてください。
【相続人がいない場合】まず「相続人不存在」という状態になる
もしも全く相続人がいない場合は、法律上「相続人不存在」という状態になります。ただし、これですぐに財産が国にわたるわけではありません。そこにはいくつかの段階と手続きが必要です。
財産を管理する人が必要に → 「相続財産清算人」の選任
相続人がいないまま財産を放置すると、誰も管理できない宙ぶらりんの状態になってしまいます。こうした事態を避けるため、家庭裁判所に申立てをして相続財産清算人を選任してもらう必要があります。選任された清算人(たいていは弁護士などの第三者)は、亡くなった方の財産を調査・保全し、借金や税金の清算、関係者への連絡といった事務手続きを進めます。
清算人が財産を整理・清算し、最終的に国庫へ
相続財産清算人は、債権者への弁済などを済ませたあと、相続人を探します。一定期間内に相続人や特別縁故者が名乗り出なかった場合、残った財産を最終的に国へ引き渡します。これが「国庫に帰属する」と言われる状態です。生前に築き上げた財産が国に回収されてしまう前に、遺言で自分の希望を明確にしておけば、大切にしてきた財産を望む形で役立ててもらうことができるのです。
【要注意】財産以外の死後の手続きはどうなる?
遺言書がないと困るのは、何も財産のことだけではありません。たとえば「葬儀はこのような形にしてほしい」「このお墓に入れてほしい」「この人には必ず連絡してほしい」といった亡くなったあとの希望も、遺言がなければ誰にも伝わらなくなってしまいます。
おひとりさまの場合、亡くなったあとのことを頼める方が身近にいない場合があります。遺体を誰が引き取るのか、葬儀費用はどのように工面するのかが決まっていなければ、最終的に行政に任され、簡素な形で火葬・納骨されてしまうこともあり得ます。
そのような状況を避けるためにも、遺言書には財産の分配だけでなく、死後の手続きや希望する対応についても一緒に記しておくことが大切なのです。
遺言があれば防げたトラブル・後悔とは
遺言があれば、予期せぬトラブルや、残された方々が抱える後悔を防ぐことが可能です。
ケース1:長年支えてくれた方に、何も残せない
相続人ではなくても、長年献身的に介護してくれた方や、事業を共に支えてきたビジネスパートナーなど、本当に感謝を伝えたい相手がいるケースもあります。しかし、法律上の相続人ではないため、遺言でしっかり意思を伝えなければ財産を渡せない可能性が高いです。
ケース2:あまり交流のない親族が財産を相続した
身近な家族がいない場合、ほとんど交流のない方が法定相続人となることがあります。たとえば、配偶者や子どもがいない方の相続人は親や兄弟姉妹ですが、いずれも亡くなっている場合、甥や姪が相続人となる可能性があります。
ケース3:葬儀や納骨場所の希望が伝わらない
遺言がなければ、自分の葬儀の方針、お墓や納骨先の希望、亡くなったことを伝えたい相手などが誰にも伝わりません。亡くなった方の意思に沿わないかもしれないという不安や後悔は、残された方にとっても大きな負担となります。
ケース4:相続をめぐって家族関係が壊れてしまった
遺言がない場合、残された親族間で「誰がどの財産を相続するか」で意見が対立し、相続が争族となるケースが後を絶ちません。特におひとりさまの相続では、相続人が亡くなった方の意思や財産の内容を把握していない場合もあり、トラブルになりやすい傾向があります。相続トラブルが原因で、家族関係に修復できない溝が生まれてしまうのは悲しいことです。
遺言は、あなたの意思をしっかりと遺し、大切な人たちを守るものです。「まだ元気だし、書くのはもう少し後でもいいかな」と思う今だからこそ、これからのことに向き合ってみることをおすすめします。
遺言書作成の流れと具体的なステップ
遺言書は思いつきで急いで書くものではありません。ひとつひとつのステップを丁寧に踏むことで、確実で意義のある遺言になります。ここでは、遺言書作成までの流れを5つのステップに分けて、わかりやすく解説します。
1. 財産と遺したい相手を整理する
まず、自分の財産の全体像を明確にするところから始めましょう。不動産や預貯金、株式、生命保険、貴金属や美術品など、プラスの財産に加えて、借金やローンなどのマイナスの財産も含めて、漏れがないようにリストアップします。
次に、財産を誰に渡したいのかを考えます。個人であれば、氏名や住所を正確に記録し、団体や法人に対して遺したい場合は、正式名称と所在地を確認しておきましょう。あわせて、「なぜその人や団体に遺したいのか」という理由も整理しておくと、後に遺言の内容に説得力が生まれます。
相続人との公平性を考慮するために、財産を渡したい相手が相続人となる方なのか、そうではないのかも重要な情報です。
2. 遺言の目的と内容を考える
遺言の内容として法的な拘束力がある事項は、財産の分け方に関することや、子の認知などの身分事項、遺言執行者の指定などに限られています。しかし、遺言は単に遺産の分け方を決める文書ではありません。
法的拘束力こそないものの、お世話になった方へのメッセージや、葬儀や供養の方法の希望、ペットの世話に関する希望など、あなたが伝えたいことを盛り込むことができます。相続人や財産を引き受ける方が遺言の背景やあなたの想いを理解することで、トラブルを防ぎ、あなたの意思が実現しやすくなるでしょう。
3. 遺言の種類を決める(自筆証書遺言 or 公正証書遺言)
自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらの形式で作成するかを選択します。もうひとつ、秘密証書遺言という形式もありますが、実務的にはあまり使われません。
自筆証書遺言は費用もかからず、自分ひとりで作成できる手軽さが魅力です。ただし、形式に不備があると無効になる可能性もあるため、作成に際しては専門家のサポートを受けることをおすすめします。また、紛失や改ざんのリスクを避けるため、法務局で原本を保管することも検討するとよいでしょう。
公正証書遺言は、公証人が作成するため、形式の不備の心配がほとんどありません。遺言書の原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんのリスクもありません。おひとりさまの場合は、遺言の存在を他人に知らせる機会が限られる傾向があります。亡くなった後に見つけてもらえなければ、あなたの意思を実現できなくなってしまうため、確実性の高い公正証書遺言の方が安心です。
4. 専門家に相談・作成サポートを受ける
遺言書の作成には法律の知識が欠かせないため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。特に、おひとりさまの遺言では、相続人の調査や遺言執行者の人選など、複雑な判断を求められる場面が多くなります。
行政書士や司法書士、弁護士といった相続に詳しい専門家に相談すれば、自分の希望に沿った内容を法的にきちんと形にしてもらえます。「せっかく書いたのに無効だった」という事態を避けるためにも、専門家の助けを借りるのは非常に有効です。
5. 作成後の保管・見直しも忘れずに
遺言書は作ったら終わりではありません。特に自筆証書遺言の場合は、法務局の遺言書保管制度を活用するか、信頼できる人に保管場所を知らせておくことが大切です。せっかく作成しても、誰にも見つけてもらえなければ意味がなくなってしまいます。
また、人生は常に変化します。財産の内容が変わったり、付き合いのある人が変わったりすることもあるでしょう。状況に応じて遺言の内容を定期的に見直し、必要があれば修正しておくことで、より実情に即した遺言になります。
おひとりさまならではの遺言の工夫
おひとりさまが遺言を作成する際には、一般的なケースとは異なる視点や配慮が必要な場合があります。自分の想いをきちんと形にするためにも、工夫を凝らしておきたいところです。
付言事項で想いを残す感謝のメッセージの書き方
付言事項とは、遺言書の本文のあとに自由に記載できるメッセージです。法律的な効力はありませんが、あなたの気持ちを伝える大切な手段となります。財産を受け継いでくれる方やお世話になった方への想いを素直な言葉で記すことで、あなたの人柄が伝わり、遺言の背景にある気持ちがしっかり届きます。なぜその方に財産を託すのか、どのように使ってほしいかなども加えておくと、より深く理解してもらえる遺言になるでしょう。
遺言執行者をどう選ぶか?選定のポイントと注意点
遺言執行者は、遺言の内容を実現する役割を担います。相続人がいない場合や、相続人と疎遠な場合でも、遺言執行者がいれば遺言どおりに手続きを進めてもらえる安心感があります。
候補としては、信頼できる知人や友人のほか、弁護士や行政書士、司法書士といった専門家、あるいは信託銀行などがあります。専門家に依頼する場合には報酬が発生しますが、法律や実務に精通しているため、安心して任せることができます。個人に依頼する場合は、あらかじめ承諾を得ることが大切です。何を重視するかを踏まえて、慎重に選びましょう。
ペットのための遺言活用例
大切な家族であるペットと暮らす方にとって、その子の将来も考えておきたいところです。遺言には、ペットの世話を託す相手と、そのために渡すお金について明確に記載しておくことができます。誰に、何の目的で、いくら渡すのかをはっきり記すことで、相手にもわかりやすく伝わります。
さらに、ペットの食事や日常の過ごし方、病院の情報なども、付言事項として書き添えておくと、より安心です。もし第一候補の方が引き取れない場合の第二・第三候補も挙げておくと、ペットの行き場がなくなってしまうリスクを減らせるでしょう。
特定の団体に寄付したい場合の注意点
お世話になった団体や、支援したい活動を行っている団体に寄付したいと考えている場合は、いくつか注意しておくべき点があります。まず、その団体が現在も活動しており、将来的にも継続して存在する見込みがあるかどうかを確認しましょう。小規模な団体などは、解散や事業変更の可能性もあります。また、「○○基金として、子どもの教育支援に使ってほしい」など、寄付金の使い道を指定する場合には、あらかじめ団体と相談し、実現可能かどうかを確認しておくことが大切です。
遺言だけじゃない!おひとりさまの終活
遺言書はおひとりさまの終活の方法のひとつですが、それだけで全てが整うわけではありません。自分の人生の締めくくりを安心して迎えるためには、亡くなる前もその後も見据えた準備が必要です。遺言に加えて、さまざまな制度を上手に活用していきましょう。
死後事務委任契約とは?
死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後のさまざまな手続きを信頼できる人に託しておくための契約です。具体的には、葬儀や納骨の手配、役所への届け出、家の整理、各種契約の解約、ペットの引き取りなど、遺言だけでは確実性に欠ける部分を補う効果があります。
生前に契約を交わしておき、亡くなった時点で効力が発生します。遺言執行者と同じ方に依頼すると、一連の手続きがスムーズに進むでしょう。知人や友人に依頼する場合は必ずしも報酬が必要ではありません。ただし、精神的・時間的負担の大きい事務を担ってもらうため、事前に感謝の気持ちとして一定の謝礼を渡したり、亡くなったあとに遺産の中から謝礼を支払う旨を契約に盛り込んだりするのが一般的です。トラブルを避けるために、弁護士や司法書士などの専門家に依頼する方法もあります。
任意後見制度の活用
任意後見制度は、認知症などで判断力が低下した場合に備えて後見人を指定しておく制度です。いざ支援が必要になったときには、後見人があなたの代わりに財産の管理や医療・介護の手続きなどをおこなってくれます。法律で決められた成年後見制度よりも柔軟な運用ができる点で利用しやすいと言えます。
誰にどのような内容を依頼するかを決めたら、任意後見契約書を公証役場で公正証書として作成します。契約には支援してもらう内容を具体的に盛り込むことができ、財産管理や医療に関する手続き、住まいの手配など、あなたが不安に思っていることをしっかりカバーできます。実際に支援が必要になり、家庭裁判所により後見監督人が選ばれた段階で効力が発生します。後見監督人は弁護士や司法書士などの専門家が選任されるのが一般的です。
おひとりさまが安心して老後を迎えるための大切な備えとなる一方で、公正証書の作成費用のほか、任意後見人や任意後見監督人への報酬が毎月発生する点に注意が必要です。
おひとりさまの遺言Q&A
ここでは、おひとりさまからよく寄せられる遺言に関する疑問にお答えします。大切なのは「いつか」ではなく「今」の気持ちを形にすることです。ぜひ参考にしてみてください。
遺言っていつ書くのがベスト?
遺言は満15歳以上の方が作成できます。目安としては、50代以降で遺言を考える方が増えます。まだ早いと思う方も多いかもしれませんが、年齢に関係なく元気なうちに作成しておくのが理想的です。元気なうちにというのが大切で、認知症や病気で判断能力が衰えてしまうと、遺言書を作成できなくなってしまいます。
財産の整理ができていて、「この人に託したい」という思いがあるなら、今がその時かもしれません。まずは今の考えを形にしておき、必要に応じて柔軟に見直していくことも可能です。
遺言を途中で変更したくなったら?
遺言は人間関係や状況に合わせて、いつでも何度でも書き直せます。新しい遺言と古い遺言の内容が矛盾する部分は、古い遺言が部分的に無効になります。ただし、内容の一部だけを変えたい場合でも、全体を書き直したほうが後々の混乱を防げます。特に、財産を渡す相手や内容が変わるときは、新しい遺言をきちんと残すことが重要です。
遺言書の形式による優劣はありません。先に公正証書遺言を作成していたとしても、あとから自筆証書遺言を作成して内容を変更できます。遺言書を書き直す際は、日付をはっきり記載し、古い遺言との関係性がわかるようにしておくことが大切です。
誰にも相談せずに書くのは危険?
自筆証書遺言は一人でも書くことができますが、法的な要件を満たさず無効となるリスクや、内容が実現できないリスクがあります。おひとりさまの場合、財産を遺す相手が相続人ではないことも多いため、独断で進めるのはリスクが高いと言えます。遺言書を作成する際は、行政書士などの専門家に相談するのがおすすめです。
また、遺言で財産を遺したい相手や、遺言執行者として指定したい相手には、事前に伝えておくことも視野に入れましょう。亡くなってから突然知るよりも、前もって心の準備ができている方が手続きがスムーズです。
公正証書遺言はどこで作るの?
公正証書遺言は全国の公証役場で作成できます。公証役場は、法務省に所属する公証人という専門家が業務をおこなう場所です。公正証書の作成、私文書の認証、確定日付の付与など、さまざまな公証事務を取り扱っています。遺言書の作成は、住んでいる都道府県以外の公証役場でも対応してもらえます。公証人のスケジュール調整のため、必ず予約してから訪問しましょう。
公正証書遺言の作成には証人が2名必要です。相続人や財産を受け取る予定の方は証人になれません。誰も頼める人がいない場合は、公証役場で紹介してもらうことも可能です。まずは最寄りの公証役場に問い合わせるとよいでしょう。
ペットの面倒を見てくれる人がいない場合は?
おひとりさまにとって、可愛いペットはかけがえのない家族です。しかし、自分がいなくなったあとペットの世話を誰に頼むか悩む方も多いでしょう。身近に頼れる人がいない場合は、ペットの保護団体や、老犬・老猫ホームなどの施設に預ける方法もあります。一定の寄付や費用と引き換えに、ペットの生涯にわたる世話をしてくれます。
もうひとつの方法がペット信託です。信託銀行や専門の団体に飼育費を預け、契約に基づいてペットの世話をしてもらうしくみです。費用はかかりますが、安心感は大きいと言えるでしょう。事前にペットの年齢や性格、健康状態を伝え、受け入れ先とよく話し合っておくことが大切です。あなたの大切な家族が最期まで幸せに過ごせるように、しっかりと準備しておきましょう。
まとめ
おひとりさまにとって遺言書は、人生の最後に自分の意思を実現するための重要なツールです。遺言がなければ、あなたの大切な財産が意図しない形で処理されたり、国のものになってしまったりする可能性があります。まだ早いと思わず、今のうちに将来に備えましょう。遺言書に何を書いていいかわからない場合や、亡くなった後のことをお願いする相手がいなくて不安な場合も、専門家に相談すると安心です。
当事務所(行政書士佐藤秀樹事務所)では、遺言書や生前対策についての相談を受け付けています。初回相談は無料です。おひとりさまの終活でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。